聞き上手になる秘訣とは? WBSキャスター豊島晋作の実践テクニック
会話でつい自分ばかり話してしまう、部下から本音が聞けないとお悩みではありませんか? テレビ東京「WBS」メインキャスターの豊島晋作氏が、20年の取材経験で培った「真に相手と向き合う聞き方」を公開。組織でも使える心理的安全性の高め方から、沈黙を活かす技術まで、ビジネスパーソン必見のコミュニケーション術を詳解します。
組織こそ必要な「安全な質問環境」作り
講演活動を通じて気付いた驚くべき事実があります。同じ内容の話をしても、会社員と個人事業者では質問が出るまでの時間に明確な差が生まれるのです。大企業勤めの方々は質問モードになるまで平均15分以上かかる一方、自営業者の集まりでは質疑応答開始直後から活発な議論が始まります。 この違いには日本の雇用慣習が深く関係しています。日銀元理事でWBSコメンテーター清水季子氏によれば、「終身雇用制が根強い日本では『異端視されるリスク』を恐れる心理が働きやすい」とのこと。特に大企業ほど「波風立てない文化」が染みついており、これが社内コミュニケーション不全の温床になっているケースも少なくありません。 ではどうすれば良いのでしょうか? 効果的な解決策として挙げられるのが: ・匿名性を確保した紙媒体での意見収集 ・スマホを使ったリアルタイムアンケート ・小グループに分けての発言機会創出 これらの手法を取り入れることで、従業員は肩書や立場を気にせず率直な意見を表明できるようになります。重要なのは、「評価される場」ではなく「共に考える場」という空気作りです。 実際にある製造業の中堅企業では、毎回異なる3~4人組で意見交換する「輪番制ブレインストーミング」を導入したところ、半年間で改善提案数が3倍以上に増加しました。
沈黙こそ最高の思考時間
インタビュー中についやってしまう失敗があります。「答えが出る前に次の質問やヒントを与えてしまう」。これは放送業界特有の「沈黙恐怖症」とも言える症状です(テレビでは3秒以上の無音はNGとされます)。 しかし日常生活やビジネスの現場では逆効果になり得ます。「5秒ルール」をご存知でしょうか? ハーバードビジネススクールの研究によると: ・優れたリーダーは平均4.7秒間沈黙できる ・このわずかな待ち時間で回答精度30%向上 ・創造的アイデア発生率も25%アップ 具体的な実践法としては: 【STEP1】心の中でゆっくり5つ数える(約5秒) 【STEP2】相手の表情や仕草を見て思考中か判断 【STEP3】困っていそうなら補足質問(例:「具体的には?」) あるITベンチャーのCTOは週次ミーティングで全員分の発言タイム(最低30秒)を作りました。「強制的な沈黙空間」を作ることで若手社員からの画期的提案が出やすくなったそうです。
※本記事は豊島晋作著『不器用だった僕が見つけた伝え方』(日経BP刊)をもとに再構成しました。 ■プロフィール 1981年福岡県生まれ。東京大学大学院修了後テレビ東京入社。「WBS」「経済ニュースアカデミー」「ワールドポリティクス」(YouTube総再生回数2億回超)など多彩な番組制作に関わる国際政治経済エキスパート。
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