日本相撲協会は26日、所属行司が力士会の積立金を不正流用した疑いで本格調査に乗り出した。震災復興支援のために関取衆が13年間積み立ててきた神聖な基金に、管理責任者が手を染めた衝撃的な事態だ。
大相撲夏場所の千秋楽、協会あいさつが執り行われる両国国技館(2026年5月25日撮影)
問題の発端は2011年夏場所前。東日本大震災被災児童支援のため、当時の関取衆70名が「1場所ごとに1人1万円」の自主積立を決議。これまでに複数の被災地へ土俵を寄贈するなど、年間6回開催される力士会で継続的に運用されてきた。
しかし昨年以降、基金管理者であるベテラン行司が「通帳紛失」などを理由に残高報告を怠る不審な行動が表面化。今月開催された夏場所前の力士会でも「次回必ず提示する」と繰り返すばかりで具体的な説明がない状況に関取衆から強い不信感が噴出した。
【写真】力士会参加豊昇龍ら
協会コンプライアンス委員会の聴取に対し容疑者の行司は「数千万円規模の資金をパチンコなどの遊興費に充てていた」と供述。関係者によれば「寄付金目当てでの入場者増を見込んでいたがコロナ禍で計画破綻し資金繰りに行き詰まった」との動機も明かしているという。
協会上層部では6月理事会での処分案審議準備に入っており、「被災者支援という崇高な目的基金への背信行為」(幹部)として解雇を含む厳罰方針で一致。ある年寄は「大相撲社会全体への信頼損ないかねない重大な不祥事」と憤りの表情を見せた。注目されるのは事件発覚時期だ。「ちょうど人気力士・大里結婚報道がある中での不祥事顕在化はイメージダウン倍増」(マスコミ関係者)との指摘もあり協広報戦略にも影響を与えそうだ。
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